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任天堂は2023年10月、人気ゲーム機「Nintendo Switch」などで利用するニンテンドーアカウントをパスワードレス認証の「パスキー(パスキー認証)」に対応させた。「FIDO2(Fast Identity Online 2、ファイド2)」という仕様に基づいた、パスワードを使わない認証方法だ。
従来ニンテンドーアカウントにログインするには、利用者がユーザーIDとパスワードを入力して本人認証していた。パスキーを利用すると生体認証を用いるので、パスワード入力は不要になる。だが「生体認証=パスキー」ではないので注意してほしい。詳しくは後述する。
パスキーならユーザーIDとパスワードの入力や管理がなくなり、利用者にとって利便性が高まる。サービス提供者としては、利用者のパスワード忘れなどへの対応が不要になる。
このためログインやサインインの手段としてパスキーを採用するサービスが相次いでいる。NTTドコモやLINEヤフー(旧ヤフー)、米PayPalなど、大手企業がアカウントへのログインオプションとしてパスキーを提供している。米Google(グーグル)に至っては、「Googleアカウント」の認証方法のデフォルトオプションとしてパスキーを提示している。一般の利用者がパスキーに触れる機会が多くなっている状況だ。
FIDOアライアンス、W3Cで理事などを務めるNTTドコモの森山光一チーフセキュリティアーキテクトはこうした動きも踏まえて、「導入の機運は確実に高まっている」と語る。
Webサービスの顧客向けだけではない。社員を対象に、社内システムのログイン方法としてパスキーを利用する企業も増えてきた。
その一例が、結婚式場検索サイトを運営するウエディングパークだ。同社は2022年3月から、米Microsoft(マイクロソフト)の「Microsoft 365」やグーグルの「Google Workspace」などSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)を含む社内システムへログインにパスキーを利用している。
インターナショナルシステムリサーチ(ISR)が提供するアイデンティティー管理サービス「CloudGate UNO」などを利用して、パスキーの導入を進めた。導入を担当したウエディングパークの西朗コーポレートIT室室長は、同サービスの導入によって「導入前には1カ月に200件ほどあったログインエラーが0件になったほか、毎月数件あったIT部門へのパスワードリセットの問い合わせもなくなった」と胸を張る。「ユーザー、IT部門のどちらにとってもメリットがあった」(西室長)という。
からの記事と詳細 ( もうパスワードは使わない、任天堂も対応する「パスキー」の正体 - ITpro )
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