香港は次の大きな仮想通貨普及の波に向け「準備が整っている」と、ハッシュキーキャピタルのパートナーであるジュピター・ジェン氏は語る。
ジェン氏は、新たなWeb3プロジェクトと仮想通貨に対する規制緩和が、香港を次の4〜5年で大きく成長させるための土壌を整えていると指摘した。「これらの新たなプロジェクトの創設者やチームがここにいる。これらのチームはすでに銀行業界と資本市場の活動を活性化させている」とジェン氏は語った。
仮想通貨の価格がそれを反映していないとはいえ、過去18カ月間でこの分野で開発された洗練度は目を見張るものがあるとジェン氏は付け加えた。「弱気相場を通じて見た実際の技術的な進歩は驚くべきものだった。したがって、技術面から見れば、我々は仮想通貨の世界における次の大きな普及の波への準備が整っている」とジェン氏は述べた。
ジェン氏がこの地域に強気である理由は、香港政府が新たな経済的な推進力を必要としており、仮想通貨業界がそれを提供する準備ができていると信じているからだ。「香港のGDPは近年、コロナの影響であまり好調ではない。新たな推進力が必要だ」とジェン氏は語った。「だから私の理論では、仮想通貨とWeb3が新たな推進力となる」。
8月3日、ハッシュキーは個人投資家に暗号資産を提供できるライセンスを取得した香港で最初の仮想通貨取引所となった。
ジェン氏は、自身がハッシュキーの取引所部門に直接関与していないとしつつも、政府が投資家の懸念を解消するために規制体制を明確にし続ける中で、香港の地元市民からの仮想通貨商品への需要が増えると予想している。
「最近の政策変更は、個人投資家に安全を提供する。セルフカストディのためにオンラインウォレットを使用する必要はない。取引所に口座を開設するだけで、香港ドルでビットコインや他の仮想通貨を購入することができる。非常に簡単だ」と彼は語った。
「現在はまだ弱気相場だが、強気相場が戻ってくれば、人々の見方が急速に変わることが予想される。特にライセンスを持つ取引所で安全に購入する機会が多くあるとき、個人投資家は確実に戻ってくるだろう」。
全体として、ジェン氏は、アジアと香港のWeb3が、2021年の東南アジアのGameFiセクターの発展パターンと同様のものになると予測している。当時はアクシ―・インフィニティが一時的に世界で最もプレイされたゲームの1つになった。
ジェン氏の見解では、アクシ―が大規模な投機にさらされていたが、基本的な開発モデルは同様であり、アメリカやヨーロッパで開発されたプロジェクトは、アジアで歓迎される市場を簡単に見つけることができる。
「私は、将来的にアジアは同じパターンをたどると思う。アメリカやヨーロッパ、オーストラリアで開発されたプロトコルやインフラプロジェクトは、開発された場所で大規模な採用を見ることはないかもしれない。しかし、市場を見つけたいのであれば、アジアに行くことができる」とジェン氏は語った。
香港では9月に仮想通貨取引所JPEXのスキャンダルが発生した。ライセンスを持たない取引所であるJPEXが投資家から約1億6500万ドルを詐取したとされている。この件は、香港を襲った最悪の金融スキャンダルの1つとされている。しかし、香港の金融サービスおよび財務長官であるクリスチャン・ホイ氏は、JPEXの問題が香港をアジアの仮想通貨ハブにする政府の目標は変わっていないと、投資家や政府関係者、他の規制当局者の集まりで保証した。
香港はまた、JPEXの行動を受けて仮想通貨規制を強化することを約束した。SFCは、不正な仮想通貨取引所の活動に対処するために警察と共にタスクフォースを設立している。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン
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