パナソニック エレクトリックワークス社(以下、パナソニック)とビットキーは、次世代の統合ビル入退室サービスとして「eX-SG with workhub」を共同開発し、秋からサービスおよびシステムの受注に向けた提案を開始する。
eX-SG with workhubは、ビットキーがワークプレイス向けに展開するコネクトプラットフォーム「workhub」と、パナソニックが提供する統合型セキュリティシステム「eX-SG」との連携による統合ビル入退室サービス。workhubシリーズの各種システムで入力され、生成する権限情報をworkhub Cloud経由でカードリーダーへ展開し、ドア・セキュリティゲート・エレベーターなどを多様な認証手段で通過可能とする。
新築ビルだけではなく、eX-SGを導入済みの既築ビルに対しても同等の機能を提供可能。新築ビルでは同サービスを導入、既築ビルでは既存のカードリーダーにビットキーの認証用アダプタを接続することで、スマホアプリなどの認証手段に対応。QRコードや顔認証などはタブレット端末の設置など簡易的な工事で対応が完了する。大規模ビルでは通常1年ほどかかる導入プロジェクトが、数カ月程度に短縮が見込めるという。
ビルオーナーや管理者は、竣工時・竣工後問わず認証手段を選択可能。秋時点で顔認証、スマートフォンアプリ、QRコード、スマートウォッチ、モバイルFeliCa、ICカードなどに対応予定で、ICカードのみの運用も可能。多様な認証手段に対応するため、鍵紛失リスクの低減や、鍵管理者の再発行の手間軽減につながるとしている。
テナントが保有している人事・組織情報と連携し、セキュリティ権限を一括管理する機能として、AD(Active Directory)連携を提供。入社・退職時の権限付与・削除や、組織変更時の所属部署や役職に紐づく権限情報に連動した入退室権限の変更ができる。
役員室や書類保管庫、サーバールームなど、セキュリティを強固にしたい区画における、ICカード+顔認証のような複数の認証手段の組み合わせに対応。区画毎に異なるセキュリティレベルを設定できる。
本社と支社など異なる複数のビル間でも、セキュリティゲートや、エレベーター、ドアなど各種セキュリティを通過できる権限をリアルタイムに生成。ワーカーにとっては、いつも利用しているカギ(ICカードや自分の顔など)で各ビルの共用部・専有部の入室が可能となる。
workhubシリーズや外部ツールとの連携にも対応。同サービスが導入されたビルのテナントが、受付システムや、会議室予約システムなどのworkhubシリーズを採用した場合、共用部から専有部まで同じ手段で認証できる。
また、Googleカレンダーで登録した会議室予約の情報に連動し、ゲストにビル入館用のQRコードを発行したり、SlackやTeamsなどのビジネスチャットツールに来訪者到着を知らせるなど、テナントが導入する外部ツールとの連携により、各種サービスがつながるオフィス環境を構築できる。
従来よりeX-SGで提供している、カード操作なしの入退室を防ぐアンチパスバック、警備システム連動、夜間や休日の階の行先ボタンを制限するエレベーター運行制限などの機能も提供する。
協業の背景には、働き方の変化により複数拠点を利用する社員への入館証の発行や管理が煩雑になっている、拠点毎に複数のICカードを持ち歩いたり、入館手続きが必要になるといった、ビル内の共用部と専有部や、ビル間での認証が連携されていないという課題がある。
ビルのデベロッパーやオーナーにとっても、ビル竣工の3〜5年前に入退室システムを始めとしたビル設備を設計する必要があり、テナントニーズの移り変わりを先読みした、ビル設備の決定難易度が上がっているという。
パナソニックも、eX-SGが長期間にわたって多くのビルで利用されるインフラ設備という性質上、幅広い製品バリエーションの提供や頻繁な機能アップデートが難しいという課題を抱えていた。
こうした背景から2021年より、コネクトプラットフォームを開発するビットキーと、ビルの入退室管理システムを開発するパナソニックの2社の強みを生かした協業検討を開始し、個別のビル単位で連携を実施してきた。
さらなる市場ニーズの拡大を見越して、eX-SG with workhubの共同開発に至り、次世代の統合ビル入退室サービスとして標準提供する。既築・新築あわせて年間100棟の導入を目指す。
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