NTTドコモは7月28日、都内4エリア(新宿・渋谷・池袋・新橋)における通信品質について、改善状況を発表した。あわせて、今後の取り組みについても発表されている。
今回の発表には、どのような背景があったのか――今回は、ネットワーク本部 無線アクセスデザイン部 エリア品質部門 エリア品質企画担当 担当課長の福重勝氏、エリア品質部門 担当部長の佐々木和紀氏、ネットワーク部 技術企画部門 松岡久司氏に話を聞いた。
都内4エリアでの通信状況に関する発表の背景には、4月26日に開催された報道陣向けの説明会がある。「ドコモの携帯電話ネットワークは、都市部などでつながりにくい」といった声を受け、同社では「今夏までの解消を目指す」としていた。
「夏に入ったため、状況をお知らせしたいと思った」(福重氏)。同氏は、説明会があった4月26日以降の取り組みについて、詳しい内容を語った。
ドコモでは、都内4エリア(新宿・渋谷・池袋・新橋)について、エリアチューニングがすでに完了。駅ホームの一部についても、9月をめどに通信品質の改善が見込まれる。
ドコモでは、通信改善に向けたPDCAサイクルをより高速に回したり、混雑エリアの改善に人的なリソースを集中したりして、品質改善に取り組む。また、基地局の構築を計画よりも前倒しして推進する。
改善のサイクルについては最大で約90%短縮され、基地局の完成は約3カ月前倒しできた例もあるという。こうした取り組みにより、「スループットは最大10倍向上する場所もある」と福重氏は語る。
では、混雑するエリアのチューニングはいったいどのようにして実施されているのだろうか。福重氏が挙げたのは「角度調整(チルト変更)」「出力調整」「指向調整」の3つ。
たとえば「角度調整」では、特定の基地局の周波数帯が混雑してきたときに、余裕がある基地局にトラフィックを誘導・分散させることで、より多くのユーザーが通信を利用できるようにする。
場合によっては複数の調整方法を組み合わせながら、安定した通信の提供につなげる。「状況はリアルタイムで変わるので、現地で効果を確認することもある。また、長期的な目線で効果も確認しながら微調整を繰り返している」(福重氏)。
また、周波数間の分散を自動で制御するしくみも採用。たとえば800MHz帯が混雑している場合、1.5GHz帯や1.7GHz帯など、帯域幅に応じて別の周波数帯にユーザーを振り分ける。福重氏によれば、ピークスループットよりも安定性を重視し、より多くのユーザーが通信を利用できるような設定にしているという。
設備増設の取り組みとして、ビルオーナーとの交渉などの調整を繰り返しつつ、既存の基地局に対して無線機器や電力設備、アンテナなどを設置している。
今後の取り組みとして、「街並みの変化などに応じてエリアチューニングを続けていく」と福重氏。トラフィック予測に応じて基地局なども新設し、通信品質の改善に向けた取り組みを続けていくと語った。
からの記事と詳細 ( ドコモの通信品質改善、状況や今後の取り組みは? キーパーソンに聞く - ケータイ Watch )
https://ift.tt/1l75zZT
No comments:
Post a Comment