ファミリーコンピュータ(ファミコン)全盛期のころ、ゲームの進行状況を保存するために必須だったのが「パスワード」です。そのなかには、入力しただけで最強になれる便利なパスワードもありました。
ファミコン世代おなじみの「パスワード」
オートセーブやクラウドサーバー上へのデータアップロードが当たり前になった現代とは対照的に、約40年前の家庭用ゲームソフトには「プレイ状況を保存する機能」が備わっていませんでした。そのため、ゲームハード本体の電源を落とすと、それまでの進行状況がすべて失われてしまったのです。
そんな状況を一変させたのが、ゲーム内データを特定の文字列に置き換えた「パスワード」でした。代表例を挙げると、国民的RPG『ドラゴンクエスト』(以下、ドラクエ)で実装された、「ふっかつのじゅもん」が有名ではないでしょうか。ゲーム終了時に画面に映し出される文字を、ゲーム再開時にそっくりそのまま入力する。これにより、進行状況が失われることなく、前回プレイを止めた状態からプレイし始めることができました。
パスワードは、ファミコン世代をはじめ、往年のゲーマーにとって馴染み深い存在です。今回は1980年代にリリースされたファミコンソフトを中心に、「ゲーム攻略に役立った」「主人公が一瞬で最強になった」……などなど、プレイヤーにインパクトを与えたパスワードをご紹介します。
パスワードはゲーム内データを平仮名などの文字に変換しますが、意味を持たない文字列になる場合がほとんどです。しかし、なかには偶然が重なって特定の名前(人名や地名など)が、パスワードとして機能する例も見られました。
上述した『ドラクエ』では、「ほりいゆう じえにつくすど らごくえす とだよ」とふっかつのじゅもん(パスワード)を入力することで、ステータスや所持アイテムが変化します。最強武器であるロトの剣を装備し、「ローラ姫」を救出した状態の主人公が登場します。ご覧の通り、「ドラゴンクエスト」(以下、ドラクエ)シリーズの生みの親として知られる、堀井雄二さんの名前が入っているのが特徴です。
同様のふっかつのじゅもんは、次作『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(以下、ドラクエII)でも見受けられました。こちらは「ゆうて いみや おうきむ こうほ りいゆ うじとり やまあ きら……」と続き、残りを「ぺぺぺぺ……」と入力することでパスワードが成立しました。
文字列には堀井さんをはじめ、「ファミコン神拳」(週刊少年ジャンプの連載)の執筆を担当した宮岡寛さん・木村初さん、漫画『ドラゴンボール』の作者であり、「ドラクエ」シリーズのキャラクターデザインを手掛けた鳥山明さんの名前が入っています。当時から「開発者が仕込んだのでは?」と話題に上がったものの、実際にはこれといって関連性はなく、「偶然出来上がったふっかつのじゅもんの一種」に過ぎません。とはいえ、パスワード入力後に現れる勇者「もょもと」の存在感と相まって知名度は高い部類に入るでしょう。
「ドラクエ」シリーズ以外で言えば、『聖闘士星矢 黄金伝説』で見られたパスワードも衝撃的でした。特定の人名ではありませんが、「とうきょうと たいとうく こまがた ばんだいのがんぐ……」と、文字列が東京都内の地名になっており、入力を終えると、全ステータスMAXの聖矢(主人公)が現れるのです。人名や地名をもじったパスワードは覚えやすさに加え、プレイヤーが受けられる恩恵の点でも大いに注目を集めました。
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