* * * ある冬の日の午後、渋谷駅・ハチ公前広場。待ち合わせの時間より15分も早く現れた二人に、行き交う人々の視線は集中した。鮮やかな世界の国旗を身にまとって現れたのは、レスリー・キー(49)。シンガポール生まれ、日本を拠点に世界で活躍する写真家だ。横に立つのはジョシュア・オグ(32)。二人は昨年9月に、“渋谷区パートナーシップ証明書”を取得した。 「これ(服装)、いいでしょ! 今朝6時に思いついて、あわてて準備したんだ!」 ふだんは鋭い眼差しを細め、レスリーは笑顔を見せた。 ■生きてきて良かった 自治体が同性カップルを「結婚に相当する関係」と認める“パートナーシップ制度”は、いま、全国で広がっている。宣誓書や専用書類などを提出すると、パートナーと認定する宣誓書受領証などが発行される。公営住宅への入居など、従来は法的な婚姻関係にある二人に限られていたサービスが利用できるようになる。2015年、東京都渋谷区と世田谷区が導入し、全国で普及が急速に進み、現在は60以上の自治体が導入している。 昨年11月22日の良い夫婦の日、二人はウェディングパーティーを行った。レスリーが大ファンだという松任谷由実と交流の深い音楽プロデューサー武部聡志が音楽監督を務め、パーティーを音楽フェスに見立てて、オンライン配信を実施した。杏里や大黒摩季、平原綾香ら、錚々たるアーティストがそろい、スーパーモデルの冨永愛、映画監督の河瀬直美らのスピーチも行われた。 パーティーが始まり、舞台に上がった瞬間、レスリーの両目からは涙があふれ出て、止まらなくなってしまった。 「世界がコロナで変わって9カ月、みんなも、私も、生きてきた。生きてきて良かったと思った。『みんな、ここまでよく頑張った!』。そう思ったら、号泣しちゃったんだ」
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