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Wednesday, August 12, 2020

ケーヒン製FCRキャブのオーバーホールにキースター「燃調キット」が効く理由(WEBヤングマシン) - Yahoo!ニュース

非分解指定ポイントの下に潜むガスケット。高性能化ではなく”オーバーフロー対策”に使える燃調キット

純正キャブレーターの場合、機種によってジェットやニードルのスタンダードがだいたい決まっている。だが、ケーヒン製キャブ・FCRの場合、レーシングキャブという性格上、エンジンやマフラーの仕様によってセッティングが異なり基準を決めにくい。 キースターではユーザーが装着しているFCRを基準として、機種別の燃調キットを製作している。だがキット製作に使ったZZR1100用ダウンドラフトφ41のセッティングが、別のZZR用FCRと一致するとは限らない。さらに言えば、ジェットやニードルなどのパーツ自体はケーヒン純正品が存在していたりもする。 だがそれでもなお、この燃調キットには大きなメリットがある。ボディ内部の「ジェットブロック」と呼ばれる部品は非分解指定で、このガスケットについてはケーヒンにも設定がない。非分解なら分解する必要はないと思うかもしれないが、経年劣化やキャブクリーナーでガスケットが膨潤するとセッティングが困難になるのがFCRユーザーの悩みだった。これに対してキースターは、金型で成型した複雑な形状のガスケットを燃調キットに加えているのだ。これによって救われるFCRはきっと多いはず。燃調キットのラインナップ充実も関心事だが、メンテナンス派にとってはFCR用オーバーホールキットの登場にも期待したいところだ。 〈写真02〉【FCR燃調キット|キースター】絶版車用純正キャブ向けと同様、番手違いのMJ やPJ、JNやフロートバルブなどがセットされたFCR用燃調キット。写真はGPZ900R向けφ37用で、4気筒分で1パッケージとなる。●税別価格:2万8000円(φ37ホリゾンタルキャブレター用オーバーホール&セッティングパーツセット GPz900R用) 〈写真03〉【このガスケットがオーバーホールのキモ】FCRのボディとジェットブロックの間には、写真のように複雑な形状のガスケットがセットされている。非分解設定なのでケーヒン製の部品は存在しないが、このガスケットが劣化すると、本来分かれているはずのガソリンとエアの通路がつながってしまい、セッティングが困難になる。それだけに、フッ素ゴムを金型で成型したキースターオリジナルのガスケットはFCRの救世主となる。 〈写真04〉フロートチャンバーガスケットが硬化して、合わせ面から滲んだガソリンで変色しているFCRは、燃調キットで即交換。トップカバーガスケットもドンピシャ。 〈写真05〉フロートバルブの摩耗はオーバーフローの原因のひとつだが、バルブシートのOリングの痩せも要注意ポイント。バルブシート径は#3.2がセットされている。 〈写真06〉ガソリンの浸漬で加速ポンプのダイヤフラムが劣化すると、吐出不足で息ツキ症状を起こすこともある。フロートチャンバーからポンプカバーを外して確認しよう。 〈写真07〉ガソリン用とエアベント用のT型ジョイントにセットするOリングとUリングも漏れなく付属。ガソリン用のジョイントは細いリングが2個並んで入るのが特徴。 〈写真08〉フラットバルブの中子=ジェットブロックを、キースターではインターミディエイトボディと呼ぶ。固定用のボルトは細く破損しやすいため、セットに含んでいる。 〈写真09〉ボディとジェットブロックの間は液体ガスケットを塗布して結合する。ガソリンが浸るためシリコン系ではなく溶剤系ガスケットが付属する。 〈写真10〉強力なクリーナーでジェットブロックのガスケットが傷んだFCRは少なくない。燃調キットでフルオーバーホールを行えば、セッティング不良も改善される。

モトメカニック編集部

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