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「ラグ & ボーン」2021-22年秋冬コレクション
今年の冬のニットブームを制覇しそうな“勝ち組”アイテムは、ざっくり編みのチャンキーニットです。穏やかなムードやあたたかさをキープできるのに加え、着こなしのバリエーションも急拡大。独特のボリュームを生かした新しいスタイリングが、ニットコーディネートを一段と盛り上げ始めています。
たとえば、「ラグ & ボーン(RAG & BONE)」はドロップショルダーのフェアアイル柄ニットにボーイフレンドジーンズを合わせる、リラックスムードなコーディネートを提案。気取らない装いを、小粋に仕上げました。ほかにも、フェミニン寄りに整えたり、シックにまとめたりと、従来のニットの枠を超えるアレンジが豊作。冬本番に向けて、頼りがいのあるチャンキーニットの着こなしをピックアップしてみました。
タイトスカートとレッグウエアで“柔×細”ミックス
「3.1 フィリップ リム」2021-22年秋冬ニューヨーク・コレクション (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
「スンネイ」2021-22年秋冬ミラノ・コレクション (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
最初にチャンキーニットの意味を確認しておきましょう。英語の“chunky”は“分厚い”の意味。ニットウエアに関しては、太い毛糸でざっくり編んだニットを指します。ちなみに、“ずんぐりした”という意味もあり、こちらは太めのかかとが特徴の“チャンキーヒール”でおなじみです。
ローゲージ編みのチャンキーニットには、のどかな雰囲気が漂います。くつろいだムードはざっくりニットの持ち味ですが、ボトムスにセンシュアルな要素を盛り込めば、ぐっと今年らしいテイストに様変わりします。
「3.1 フィリップ リム(3.1 PHILLIP LIM)」は、チャンキーニットのセーターにカットアウトが目を引くレッグウエアを合わせました。ニットのほっこりした気分との好コントラストが際立ちます。レッグウエアをのぞかせたのは、スカートに入った深いスリット。ロングブーツとのコンビネーションで、ニットルックにクールな印象を添えました。
チャンキーニットを生かすポイントは、“タイトなボトムス”を合わせること。トップスの量感が引き立ち、着やせ効果も期待できます。2枚目の写真「スンネイ(SUNNEI)」は、ビッグポケットが愛らしいニットウエアで、肩周りや腕にもボリュームを持たせたデザイン。相棒にタイトスカートを迎え、タイツのようなストレッチロングブーツで引き締めて、上下のボリュームに落差を引き出しました。
フェミニンスカートで叶える、“厚×薄”コントラスト
「コウタ グシケン」2021-22年秋冬コレクション
「ミカゲシン」2021-22年秋冬東京コレクション PHOTO : SEIGO ISHIZAKA
独特の風合いを生かしたニットの表現が勢いづいてきました。手仕事感を印象づける提案も相次いでいます。ちなみに、主張が強めのチャンキーニットには、薄手でフェミニンなスカートが好相性です。
「コウタ グシケン(KOTA GUSHIKEN)」は、フードまでひとつながりのニットウエアを提案。ボディーラインを隠すように包み込んでくれ、手編みのぬくもりが伝わってくるかのような、チャンキーニットならではの優しげな装いです。素材が正反対のはかなげなスカートを合わせて、コーディネートの表情を深くしました。足元にはメンズライクなシューズを迎えて、さらにムードをずらしています。
ニットはカジュアルなイメージがありますが、クチュールテイストに仕上げたタイプも登場しています。太い糸のインパクトを生かした、ゴージャスなたたずまいです。2枚目の写真「ミカゲシン(MIKAGE SHIN)」は、フリンジジャガードが印象的なデザイン。デコラティブなニットルックを披露しました。同じくフリンジジャガードのマキシ丈スカートで、動きと落ち感を演出。ニットルックのカジュアルなイメージを覆す、モードなスタイリングを提案しました。
裏技の“ウエストイン”で逆に細見せ
「マーガレット・ハウエル」2021-22年秋冬コレクション (c) FAIRCHILD PUBLISHING, LLC
「シー ニューヨーク」2021-22年秋冬コレクション
厚手のニットはかさばって見えると心配されがちですが、コーディネート次第で十分にカバーできます。手っ取り早い方法は“ウエストイン”です。チャンキーニットの裾を、ボトムスに収めてしまえば、かえってほっそりしたイメージを引き出せます。
黒×白でシックにまとめたのは、「マーガレット・ハウエル(MARGARET HOWELL)」。温もりを感じさせるフェアアイル柄ニットは、肩から胸にかけて存在感を発揮しています。その裾をパンツのウエストにきっちり収めて、“細見え”が完成。パンツのハイウエストがくびれアピールに一役買っています。厚手のニットをあえてウエストインすると、こんなにもコンパクトに映るというお手本です。
ボリュームニットのウエストインという裏技は、オーバーサイズのニットにうってつけ。たっぷりの量感がウエストで急に絞られるので、見た目のアクセント効果は絶大です。2枚目の写真「シー ニューヨーク(SEA NEWYORK)」は、イチゴとチェリーの果実モチーフをあしらったほのぼのしたニットがファニーな気分を連れてきます。ゆったりしたシルエットをウエストインで引き締め、ボトムスのハイウエストが上半身のコンパクト見えをアシスト。オフネックや袖先のリブ編みも立体感を強調する効果を生んでいます。
チャンキーニットは伸びやかな着映えに導いてくれるので、ハッピー感をまといたい今のおしゃれのモチベーションにぴったり。今回取り上げたような着こなしを生かせば、着ぶくれを避けられます。ポジティブなムードを応援するような、色や柄も登場しているので、冬のぬくぬくしたおしゃれを深掘りするスタイリングに役立ててみてください。
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からの記事と詳細 ( “チャンキーニット”がヒットの兆し! 押さえたい着こなしトップ3 - WWD JAPAN.com )
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