FIDO(ファイド)アライアンスは9日、報道陣向けに説明会を開催し、フィッシング耐性のある「マルチデバイス対応FIDO認証資格情報」を「パスキー(Passkeys)」として展開するための取り組みについて説明した。
説明会には、FIDOアライアンス エグゼクティブディレクター兼最高マーケティング責任者のアンドリュー・シキア(Andrew Shikiar)氏が登壇。
また、NTTドコモのチーフ セキュリティ アーキテクトであり、FIDOアライアンスで執行評議会・ボードメンバー・FIDO Japan WG 座長を務める森山光一氏が、フィッシング詐欺に対するドコモの取り組みなどを紹介した。
「パスキー」の拡大に向けて
シキア氏が「2022年の大きな成果」と語るのが「パスキー」だ。「パスキー」では、ユーザーの秘密鍵(プライベートキー)をクラウド上で同期することで、複数の端末からWebサイトやアプリへのログインが、これまでより容易かつ安全になる。
FIDOアライアンスが発表した「パスキー」のコンセプトについて、5月、アップルやグーグルなどがサポートを表明。iOSとAndroidで、新機能として提供が始まっている(Androidはベータ版)。
また、日本国内ではドコモも、2023年2月から「パスキー」に対応する意向を表明している。
シキア氏は「『パスキー』は、パスワードレスでのサインインを代表するような単語。これまで消費者向けの単語がなかったが、今後はこの単語とともに、“パスワードのない世界”の実現に向けた取り組みを進めていきたい」と語った。
フィッシング詐欺を防ぐドコモの取り組み
シキア氏に続いて登壇した森山氏は、「パスキー」について、「パスワードに代わる一般的な言葉として使われるよう、広く展開を図る」とコメント。スマートフォン端末の機種変更などの際にも、認証設定を簡単に引き継げるメリットを強調した。
ドコモでは、9月からオンラインショップでFIDO「パスワードレス認証」を積極的に必須化するなど、フィッシング詐欺を防ぐための取り組みも進めている。
森山氏は、「予断は許さないが、(取り組みへの効果については)確かに実感がある」と語り、手応えをにじませた。
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