キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、最大512個のレーダーオブジェクトと1.5メートルまでの距離をエミュレートしながら、複雑な実環境での走行シナリオのテストをラボで実施可能
先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)の実現に必要なレーダーセンサを用いたアルゴリズム開発には、ラボでのフルシーンエミュレーションが不可欠です。キーサイトのフルシーンエミュレーターは、数百個の小型RF(無線周波数)フロントエンドを組み合わせて、最大512個のオブジェクト(物体)と1.5メートルの近距離エミュレーションを実現しています。
自動車メーカーは、自動運転アルゴリズムのテストがいかに複雑で、安全性に関わる問題があるかを理解しています。キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、連続した広い視野角(FOV)で近距離および遠距離のターゲットをエミュレートするフルシーンレンダリングを実現しており、多くのオブジェクトが存在する非常に複雑なシーンでもレーダーセンサを組み込んだ自動運転システムを迅速にテストすることができます。
キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、ターゲットシミュレーションによるオブジェクト検出を中心としたアプローチから、交通シーンのエミュレーションへと移行する特許技術を採用しており、以下の主なメリットを提供します。
● 全体像の把握:レーダー・シーン・エミュレーターは、レーダーセンサの広い連続したFOV視野に対応し、近距離と遠距離両方のターゲットエミュレーションをサポートしています。 これにより、レーダーの視界の隙間をなくし、密集した複雑なシーンで複数のオブジェクトを検出・識別するアルゴリズムのトレーニングを向上させることができます。 その結果、全体像に基づいて自動運転車が意思決定を行うことができるようになります。
● 実環境の複雑さをテスト:レーダーセンサを限られた数のターゲットでテストする場合、走行シナリオが不完全で、現実世界の複雑さを表現しきれません。キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターでは、交通密度、速度、距離、ターゲットの総数を変化させて、実環境の走行シーンをラボでエミュレートすることができます。実走行でのリスクを回避して、一般的なシーンからコーナーケースのシーンまで、繰り返しテストを実施することができます。
● 学習を加速:キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、現状、実際の道路上でしかテストできないような複雑なシーンをラボでテストするための環境を提供します。このテストアプローチにより、自動車メーカーは複雑で再現性のある高密度のシーン、静止しているオブジェクトや動いているオブジェクト、変化する環境特性などのシナリオを早期にテストできるようになり、手動またはロボットによるアンテナの配置の非効率性を感じることなく、ADAS/ADアルゴリズムの学習を大幅に加速することができます。
● シーン解像度の向上:車両の自動化(自動車技術会(SAE:Society of Automotive Engineers)が指定するレベル4および5の自動化)に向けて、スムーズかつ迅速に移行するためには、道路上の障害物を識別する能力をテストする必要があります。キーサイトでは、ポイントクラウド(オブジェクトごとの多重反射)によって、各オブジェクトの解像度を向上させることで対応しています。
キーサイトのAutomotive & Energy Solutions事業部バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるThomas Goetzlは、次のように述べています。「キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、フルシーンレンダリングによる路上テストをラボにもたらす、画期的なソリューションです。完全な自動運転車のビジョンの実現を加速できることを大変うれしく思っています。」
キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターは、IPG AutomotiveおよびNordsysとの長年にわたる共同開発により生まれた、自動運転エミュレーション(ADE)プラットフォーム(https://www.keysight.com/us/en/cmp/2020/autonomous-drive-emulation.html)の一部です。ADEプラットフォームは、定義したシナリオに基づき、ADASおよびADシステムに対して、グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム(GNSS)、V2X(Vehicle to Everything)、カメラ、レーダーなど、自動車に搭載されている実際のセンサやサブシステムに時間同期の信号を入力できます。ADEはオープンなプラットフォームであるため、市販の3Dモデリング、ハードウェア・イン・ザ・ループ(HIL)システム、および既存のテストおよびシミュレーション環境と統合することができ、自動車OEMおよび関連企業は、センサフュージョンや意思決定アルゴリズムなどのADAS/ADシステムとアルゴリズムの開発やテストに集中できるようになります。
キーサイトのAutomotive Solutions Marketing担当ディレクターCheryl Ajluniは、次のように述べています。「自動車メーカーは自動運転アルゴリズムのテストに伴う複雑さと、そのテストが不十分な場合に生じる品質の問題を理解しています。キーサイトの新しいレーダー・シーン・エミュレーターは比類ない解像度を誇っており、安全性を第一に考えるADAS/自動運転の開発者にとって大きな前進となります。」
備考
● キーサイトのレーダー・シーン・エミュレーターの詳細はこちら(https://www.keysight.com/us/en/cmp/2021/sharpen-your-adas-vision-with-keysight-radar-scene-emulator.html)からご覧ください。
● 製品の背景説明はこちら(https://about.keysight.com/en/newsroom/mediakit/rsepress/RSE-Press-Backgrounder.pdf)でご覧ください。
● 画像はこちら(https://www.keysight.com/us/en/about/newsroom/images/radar-scene-emulator-images.html)でご覧いただけます。
キーサイト・テクノロジーについて
キーサイトは、イノベーションを加速し、あらゆるものが安全につながる世界の実現を支援する高度な設計と検証ソリューションを提供しています。キーサイトのスピードと精度へのこだわりは、ソフトウェアドリブンな洞察と分析にまで及び、設計シミュレーションから、プロトタイプ検証、自動化ソフトウェアテスト、製造解析、さらにエンタープライズ、サービスプロバイダーおよびクラウド環境でのネットワークパフォーマンスの最適化と可視化など、開発ライフサイクル全体にわたり、明日に向けたテクノロジー製品をより迅速に市場に投入することを可能にしています。当社のお客様は、世界各国の通信と産業エコシステム、航空宇宙/防衛、自動車、エネルギー、半導体、一般電子機器など、多岐にわたっています。2021年度の売上高は、49億ドルでした。キーサイト・テクノロジー(NYSE: KEYS)に関する詳細情報は、こちらをご覧ください。www.keysight.co.jp
キーサイト・テクノロジーに関するその他の情報は、www.keysight.com/go/newsのニュースルーム、 Facebook、LinkedIn、Twitter、YouTubeでご覧いただけます。
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