昨年はマイナンバーカードの申請から交付まで3カ月以上の自治体もあったが、ブームが去った?現在は申請者が減少し、交付までの期間は短縮傾向。マイナンバーカードの取得は今がチャンスだ。前編では、2万円がゲットできるマイナポイント第2弾など最新のマイナンバーカード事情をお伝えした。後編では、申請方法、パスワードに関する注意点など、実際のマイナンバーカードの取得方法についてお届けしよう。
マイナンバーカードの申請、最初に準備するのは「申請書ID」
具体的にマイナンバーカードの申請方法を見ていこう。申請方法は「スマートフォンによる申請」「パソコンによる申請」「まちなかの証明写真機からの申請」「郵便による申請」の4つ。INTERNET Watchの読者はスマホかパソコンを選択する人が多いだろう。
スマホ、パソコンで申請する場合、最初に準備するのは申請に必要な「申請書ID」。「えっ申請書IDってなんだっけ?」と思われる人は多いだろう。マイナンバーカード取得のハードルは2つ。その1つ目がこの“申請書ID(が書かれた紙)”を見つけることだ。
申請書IDは2015年末ごろから配布された「マイナンバー通知カード」(マイナンバーが記載された縦長の紙)、2020年6月ごろから配布された「個人番号通知書」、2020年12月から配布された「QRコード付きマイナンバーカード交付申請書」に、申請に必要な申請書IDと交付申請用QRコードが記載されている。
「申請書ID」が分からないときは
「マイナンバー通知カード」「個人番号通知書」「QRコード付きマイナンバーカード交付申請書」のいずれも見つからない。よって“申請書IDが分からない”という人は、手書き用交付申請書(個人番号カード交付申請書)をダウンロードしよう。ダウンロードしたPDFの2ページ目の記載方法を見て記入・郵送するか、お住まいの市区町村窓口において申請書IDが記載されたマイナンバーカード(個人番号カード)交付申請書を入手しよう。
顔写真は盛りすぎに注意
申請書の次に準備したいのは顔写真。スマホやパソコンでオンライン申請をする場合の画像は以下の点に注意したい。
- 6カ月以内に撮影した写真(正面、無帽、無背景)
- 明るく鮮明な写真(白黒写真でも可)
- ファイル形式:JPEG
- カラーモード:RGBカラー(CMYKカラー等は不可)
- ファイルサイズ:20KB~7MB
- ピクセルサイズ:幅480~6000ピクセル、高さ480~6000ピクセル
これらに加え、「加工された画像などは、受付できない場合があります」となっている。「受付できない場合」となっているので、本人が確認できれば多少の加工は大丈夫かもしれないが、役所に受け取りに行った際に「誰?」とならないよう盛りすぎに注意しよう。
オンライン申請において申請不備の8割弱が顔写真不備によるもの、らしい。「顔写真のチェックポイント」というページも用意されているので、申請のやり直しにならないように注意しよう。スマホからの申請では、申請の操作中にスマホで自撮りすることも可能だが、写真の不備が懸念されるので、申請前に撮って確認・保存した顔写真を使用したい。
暗証番号(パスワード)は注意深く設定しよう
マイナンバーカード取得のハードルは2つ。その2つ目は、暗証番号(パスワード)の設定だ。交付通知書の裏面にもシールが貼られていて、はがすと住所、氏名、捺印(現在は捺印不要かも)に加え、4つの暗証番号(パスワード)を記入するようになっていた。暗証番号は、①署名用電子証明書暗証番号、②利用者証明用電子証明書暗証番号、③住民基本台帳用暗証番号、④券面事項入力補助用暗証番号となっているが、名称も長いし意味も不明なので、普通の人は区別できないと思われる。
①の暗証番号だけ英数字6文字以上16文字以下で、英字は大文字(小文字NG)、英字と数字をいずれも1文字以上を含む必要がある。INTERNET Watchの読者なら“よくある”パターンだろう。英文字だけ、数字だけはNG、英文字を大文字・小文字を含めるパターンよりは覚えやすい気がする。仮に6文字の暗証番号の例なら
AB2112……○
Ab2112……小文字は×
122112……数字だけは×
ABDCWE……英文字だけは×
といった感じだ。残りの②③④の暗証番号は数字4桁。注意書きとして「同じ暗証番号を設定することもできます」となっているので、行間を読むと「忘れそうな人は同じ番号でいいよ。同じ番号にしたら? 同じ番号にしろよ」と筆者は解釈した。いざe-Taxで使用してみると、この解釈は大正解だったと感じている。
マイナンバーカード取得の前半のハードルが「申請書IDが記載された“紙"を見つけること」なら、後半のハードルはこの「暗証番号」だ。前編で記述したとおり、10万円の定額給付金をマイナンバーを利用して申請しようとした人が暗証番号を失念して役所に殺到して密となった。①の暗証番号は5回、②③④は3回連続で間違えるとマイナンバーカードはロックされ使用できなくなる。解除は役所に行かなければならない。確定申告の最終日の夜にロックされようものなら10万円の控除が水の泡だ。筆者のように川崎市で仕事をしていて名古屋市の区役所まで解除に行くことは絶対に避けたい。“負けられない戦い”ではなく“忘れることが許されない番号”なのだ。
フワッと番号を決めてはならない。忘れにくい番号にするか、記入したときにスマホで撮影しておくなど、忘れないための対策をしておこう。実際にマイナンバーカードを使用してe-Taxで確定申告を行うと、①②の暗証番号は頻繁に入力する。幸いなことに?親切なことに?「署名用パスワードは英数字6桁~16桁」「利用者証明用パスワードは数字4桁」と入力画面に文字数を示唆してくれるので、①は英文字2つ以上+数字4桁とし、②③④は①後半と同じ数字にしておくと間違う頻度は減るだろう。セキュリティに対する考えは人それぞれなので自分で判断するしかないが、仮に①=AB2112、②③④=2112といったパターンにしておけば、筆者のようなジジイでも大丈夫そうだ。
さぁマイナンバーカードを受け取りに行こう
暗証番号を決めたら、役所に行って受け取りだ。筆者は免許証、マイナンバー通知カード、交付通知書(ハガキ)を持って名古屋の地元区役所へ。カウンターの端にマイナンバーカード用の端末が設置されていて、数分でマイナンバーカードを受け取ることができた。
記事やネットの情報、知人の体験を聞くと、交付通知書はハガキと封書があるらしい。時期によってハガキか封書か、自治体によって異なるのかは不明だが、主な記載内容に差はなさそうだ。受け取りの窓口が予約制の自治体もある。この場合は予約のための番号などが交付通知書に記載または同封されている。事前に役所のウェブサイトで予約が必要か否かを確認しておこう。
東京都内在住のINTERNET Watch編集部の人に封書で届いた交付通知書を見せてもらうと、封書の中はハガキとほぼ同じ内容だった。最も混雑したマイナポイント第1弾の締め切り間近の2021年4月下旬に申請し、7月末(=3カ月)に封書が届いたそうだ。その自治体のウェブサイトを見ると、現在は1カ月となっている。
混雑が始まる前に
年が明け2022年1月1日からマイナポイント第2弾の受付が始まる。紐付けの対象となるスマホ決済やクレジットカードの間で争奪戦が始まる。自社のサービスが紐付けされれば、還元されたポイント=お金はそのサービスで消費されるので広告などの露出も増え、多くの人がマイナポイント第2弾に気付くだろう。もしかすると昨年のような大渋滞が近いうちに始まるかもしれない。
交付通知書についてTwitterを見ると
「マイナンバーカード交付通知書が1カ月で来た」
「マジで1カ月かかった」
と、1カ月程度で交付通知書が届いたという人もいるし
「11月7日に申請をして11月26日に交付通知書が届いた。思っていたより早かった」
「2週間ちょっとで交付通知書が届いてびっくり」
「発行まで1カ月ぐらいと書いてあったのに、半月で交付通知書が届いた。役所最高!」
と、2~3週間の自治体もあるようだ。年内にスマホでサクッと申請すれば1月中に交付通知書を受け取れる人はかなり多そうだ。青色申告でe-Taxデビューを考えている人は特に急ごう。
無事にマイナンバーカードを取得してマイナポイント第2弾をゲット、個人事業主はさらにe-Taxで青色申告特別控除の65万円を獲得できるよう読者の健闘を祈る。
からの記事と詳細 ( マイナンバーカードの申請は簡単、パスワードに注意しよう - INTERNET Watch )
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