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Sunday, March 21, 2021

ネトフリのパスワード共有、今後は困難に? - Wall Street Journal

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 動画配信サービス「ネットフリックス」のパスワードを誰かと共有しているなら、考え直した方がいいかもしれない。

 同サービスは長年、パスワードの共有に目をつぶってきたが、最近は一部のユーザーにテキストメッセージによる本人確認を求め始めている。

 AT&T傘下の「HBOマックス」、ウォルト・ディズニーの「ディズニープラス」、コムキャストの「ピーコック」をはじめとするネットフリックスの米競合会社は、さまざまな場所から複数回ログインが行われたことに気づいた場合、顧客にメールを送ることが多いと各社の方針に詳しい関係者らは話す。こうしたメールには通常、ユーザーのアカウントがハッキングされていないことを確認するためと書かれている。しかし、これは複数の人によるアカウントの利用を企業側が把握していることを、顧客にやんわりと警告する役割も果たしていると業界の専門家は話す。

 ネットフリックスの広報担当者は、全てのユーザーに認証要求が送信されているどうかについては言及を避け、これはネットフリックスのアカウントを使用する人がその権限を持っていることを確認するためのものだとだけ述べた。同社に近い人物によると、同社がパスワードの共有を理由に契約を打ち切ったことはない。

 ネットフリックスが2要素認証を試験的に導入していることについては、IT(情報技術)ニュースサイト「ガンマワイヤ」が先に報じた。

 ネットフリックスは会員数が2億人を突破し、そのうち約7400万人が米国とカナダの利用者だ。その全てのユーザーに利用料を支払ってもらう以外、北米での成長余地はほとんどない。多くの業界専門家は、ネットフリックスがただ乗りに厳しく対処し始めるのは時間の問題だったと話す。そうした利用者によって、ネットフリックスの会員数と売上高が損なわれているためだ。

 ムーディーズ・インベスター・サービスのアナリスト、ニール・ベグリー氏はストリーミングのただ乗りユーザーについて「彼らは何年も見逃されてきた」とし、「無料で利用できなくなっても、同社が正当な収入を得ることを恨む人はほとんどいないだろう」と述べた。

新サービスの急増が影響

 米国ではパスワードの共有が常態化し、文化的な時代精神の一部となっている。2018年のネットフリックスの特別番組では、コメディアンのアリ・ウォンが義理の姉妹のログインアカウントを使用してネットフリックスの前回の自分の特別番組を見たと冗談を飛ばし、「今もまだ自分のアカウントを持っていない」と話していた。

 パスワードの共有は、企業に多大な損失をもたらす。調査会社パークス・アソシエーツによると、米国のストリーミングプラットフォームがパスワード共有によって2019年に失った収入は推計25億ドル(約2730億円)で、その額は2024年には35億ドルに増加する見通しだ。

 調査会社ライトマン・リサーチ・グループが2020年6~7月にかけて約2000人を対象に実施した調査によると、会員がパスワードを共有している割合は、ネットフリックスが約30%、ディズニーが経営権を握るHulu(フールー)が23%、アマゾン・ドット・コムの「プライム・ビデオ」が20%だった。

 新しいサービスの普及が、この問題を一段と差し迫ったものにしている可能性が高い。主要なプラットフォームの数はこの1年半で2倍以上に増えており、利用者がログイン情報を共有し合う動機につながっている。

 ほんの2、3年前までは、「フレンズ」「ジ・オフィス」「グレイズ・アナトミー」を見るには、ネットフリックスに加入するだけでよかった。これらは、2019年にウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)がネットフリックスで最も視聴されていると報じた3番組だ。だが現在は、この3番組を視聴するにはHBOマックス、ピーコック、ネットフリックスの3つの別々のサービスに加入しなければならず、選択した料金プランに応じて、月額約28~42ドルのコストがかかる。

 どのストリーミングサービスも一定数の同時視聴を認めており、顧客があまり不満を感じることなくアカウントを共有できるようにしている。ネットフリックスは階層的なプランを提供しており、1つのアカウントで同時視聴が可能な人数を選べるようになっている。最も安い8.99ドルのプランでは一度に1人しか視聴できないが、17.99ドルの最も高いプランでは一度に4人が視聴できる。

 ネットフリックスの利用規約(アカウント開設時に全ての顧客が同意しなければならない)には、「視聴されるコンテンツは、お客様の個人的な非商業的用途に限るものとし、お客様のご家庭以外の方と共有することはできません」と書かれている。

ディズニーのストリーミングサービスは競争の激しい市場でいかにして上位に食い込んだのか。WSJ記者が解説する(英語音声、英語字幕あり)Photo illustration: Jacob Reynolds/WSJ

成長とともにスタンスが変化

 米映画協会が18日に公表したデータによると、動画配信サービスの加入者は2020年に全世界で11億人に達した。これは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)で、人々が何カ月も自宅に閉じこもらざるを得なくなったことが影響している。アナリストによると、これがパスワード共有の問題を悪化させたとみられる。

 会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)で米国のテクノロジー、メディア、通信セクターを担当するマーク・マカフリー氏は「コロナ禍はいくつかのことを後押ししたが、ストリーミングの加速はその一つだ」とし、「優位に立ったと感じたサービスがここへ来て、失った収入を取り戻せるか見極めようとしている」と述べた。

 ネットフリックスのパスワード共有に対するスタンスは、同社の成長とともに変化してきた。2016年には、共同創業者で共同最高経営責任者(CEO)のリード・ヘイスティングス氏が投資家に対し、アカウントの共有は「受け入れざるを得ない。配偶者や子供との共有のように、正当なパスワードの共有は非常に多いためだ。したがって、明確な線引きはなく、われわれは現状通りで問題ない」と述べていた。

 だが2019年までに同社の姿勢は一変。グレッグ・ピーターズ最高プロダクト責任者は投資家に対し、パスワード共有の状況を見守り、「消費者寄りの方法で限界を攻める」にはどうすればいいかを見極めているところだと語った。その時は、何らかの変更を発表する大々的な計画はないと述べていた。

 ライトマン・リサーチ・グループのメディアアナリスト、ブルース・ライトマン氏は、ネットフリックスについて、アカウントを共有しやすくすることのメリットと、それが加入者数の伸びに与える影響とをてんびんにかける必要があると話す。

 「ほとんどのストリーミングサービスは成長に伴って、そうしたトレードオフを検討する必要が出てくるだろう」

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