[タリン 10日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーであるエストニア中銀のミュラー総裁は10日の記者会見で、ECBがパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)で実施する加盟各国の国債買い入れについて、「キャピタルキー」(ECBが行う債券買い入れは各中央銀行から出資の比率に基づくとの規定)からのかい離を限定的にすべきだとの見解を明らかにした。
緊急の買い入れがキャピタルキーの規定から大きく逸脱する事態を避け、全てのユーロ加盟国に恩恵が行き渡るようにすべきと主張した。
ECBはPEPPの下での国債買い入れキャピタルキーに応じて行うが、その運用には柔軟性を持たせるとしている。4─5月のイタリア国債の購入額は同期間の新規発行額を上回り、キャピタルキーを大きく超えた。
ミュラー総裁の発言はECBの柔軟性を制限する必要性を示唆している。またドイツ連邦憲法裁判所がECBの資産買い入れについて、権限を逸脱しているとの判断を示したことで、ECBが慎重になっている可能性もある。
同総裁は「PEPPの柔軟性は、他の資産買い入れプログラムよりも大きい幅を持たせることが重要だ。だが、キャピタルキーにおいて制限を設けているのは理由がある」と指摘。「われわれは全ユーロ加盟国のために政策を立案し、比例的な効果を持たせる必要がある」と述べた。
PEPPは一時的なものにすべきとし「第2・四半期にECBの予想通りに景気が回復し、インフレ見通しが著しく低下しなければ、恐らく資産買い入れの規模を拡大する必要はないだろう」との見方を示した。
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ECBの緊急国債購入、「キャピタルキー」の規定守る必要=エストニア中銀総裁 - ロイター (Reuters Japan)
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