パソコンでの文字入力や、ゲーム機における快適なチャットに欠かせない「キーボード」。1000円程度で買える低価格の製品から2万円を超える高価格帯の製品まで、実は非常に“奥深い”世界が広がっています。
この記事では、税込みの実売価格が1万円を超えるパソコン用キーボードについて、選ぶ上でチェックしたいポイントと、それを踏まえたおすすめ商品を紹介します。
日本語がいい? US(米国英語)がいい? 「配列」をチェック
日本で販売されているパソコンに付属する(搭載される)キーボードは、ほとんどが日本語配列(JIS配列)です。他言語の配列と比べると、「半角/全角(漢字)」「無変換」「変換」「カタカナ/ひらがな/ローマ字」といった語固有のキーが追加されています。アルファベット部分は大半の他言語と同じいわゆる「QWERTY(クワーティー)」と呼ばれる配列ですが、かな入力用の印字が付加されています。記号を入力するためのキーの配列は、他言語と一部異なります。
特に「変換」「無変換」キーを多用する人や、日本語をかな入力する人は、日本語配列のキーボードがおすすめです。なお「変換・無変換キーは使うけれど、かな入力は一切しをない!」という人は「かな印字レス日本語配列」だと見た目がスッキリします。
一方、主に外資系パソコンメーカーのパソコンでは、米国英語(US)配列(ASCII配列)のキーボードを選べるものもあります。日本販売されるキーボードでも、高価格帯を中心に米国英語配列のモデルを用意しているケースがあります。
その最大のメリットは、日本語入力用のキーがなく、かなの印字もないため見た目がスッキリすること。日本語入力用のキーがない分、スペースキーも長めです。アルファベット部分の配列は、日本語配列と同様QWERTYですが、記号を入力するためのキーの配列は少し異なります。また、Enter(Return)キーが横長で少し小さめです。
「ローマ字入力は一切しない」という人や「見た目がスッキリしているキーボードがほしい」という人は、米国英語配列キーボードを選択肢に入れても良いでしょう。
ちなみに、「米国英語」ということで主に米国(アメリカ)で使われている……と思いきや、日本以外のアジアでは米国英語配列キーボードが使われています(※1)。「外国から来た人と共有するパソコン用のキーボードを用意したい」という人は、米国英語配列のものを選んでおくと“無難”です。
(※2)各国の言語を入力するための印字が追加されていることもあります
いる? いらない? 「テンキー」の有無をチェック
キーボードは文字を入力する装置……なのですが、アプリやシステムの操作に使う「ファンクションキー」やもっぱら数字を入れるための「テンキー」なども備えています。
テンキーがあると、表計算アプリ(Excelなど)や計算機アプリにおける数字入力に便利です。パソコンのOSがWindowsなら「NumLock(ナムロック)」を解除すると方向キーとしても利用できます。
しかし、テンキー付きのキーボードは、テンキーがある分だけ横幅を取ります。机などの横幅によっては、マウスを動かす空間的なゆとりがなくなってしまいます。
「テンキーは使わない」「横幅の少ないキーボードがほしい」という人は、テンキーのないキーボードがおすすめです。逆に「表計算や計算機をバリバリ使うよ!」という人は、テンキーのあるキーボードをおすすめします。
実は打ちごこちを大きく左右する 「構造」をチェック
1万円を超えるキーボードは、その多くがキーのスイッチ(押し込みを検知するセンサー)やボディー設計にこだわっています(だからこそ高いのです)。
「静電容量無接点式」のキースイッチを採用することで長寿命化したもの、押す指の力を考慮してキーごとに押し下げ重量を変えて打ちやすくしたもの、底面に鉄板を挟みこむことで打ちごこちの改善を図ったもの、あえて“カチカチ”音を強調したキーを備えたもの――いろいろあります。
購入前にどのような“こだわり”があるのか調べるのはもちろんですが、家電量販店などで可能な限り「打ち試し」をしてみることをおすすめします。
おすすめのキーボードはこれ!
上記のポイントを踏まえた上で、おすすめのキーボードを3枚紹介します。
REALFORCE R2(東プレ)
東プレのコンシューマー向けキーボード「REALFORCE(リアルフォース)」の第2世代製品です。
同社のキーボードは業務用製品が中心で、長時間使っても疲れにくく、キースイッチを静電容量無接点式とすることで長寿命であることに定評があります。セブン銀行のATMのピンパッド(暗証番号入力用キーボード)は、その代表例です。
REALFORCEシリーズは、そのノウハウをコンシューマー製品に転用したものです。キーの押し心地、テンキーの有無、キー配列、キースイッチの音、ボディーカラーなど、非常に幅広いラインアップが用意されています。
派生製品として、Mac(macOS)での利用を想定してキー印字を一部変更した「REALFORCE R2 for Mac」や、ゲーミングパソコンユーザーを想定してキーボードバックライトを追加した「REALFORCE RGB」もあります。
FILCO Majestouch 2(ダイヤテック)
ダイヤテックのFILCOブランドから発売されている「Majestouch(マジェスタッチ)の第2世代です。こちらもキーの押し心地、テンキーの有無、キー配列、採用するキースイッチによって幾つかのモデルがあり、最安モデルでは税込み1万2000円程度から購入できます。
Majestouchは、REALFORCEと並ぶ有名なキーボードブランドで、さまざまなスイッチを選べるメカニカルキーボード界では有名な存在です。Majestouch 2では「CHERRY MXスイッチ」を採用しています。
直販サイトでは、ボディーフレームの模様を含めてカスタマイズできるオーダーメイドモデルも存在します。
Maestro2S(アーキサイト)
アーキサイトのテンキー付きキーボードです。キーの配列を工夫することで、テンキー付きとしてはコンパクトなサイズ感を実現しています。
配列は日本語と米国英語から選択可能で、ファームウェアを更新することで新機能を追加できる高機能さも特徴です。先述のMajestouch 2と同じCHERRY MXスイッチを採用しており、その種類に応じて7モデルが用意されています。
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